HONDA LABO

本田研究室

どんなシステムを目指すべきか?グランドデザインの大方針

システム提案を行う際には、まず提案のコンセプトを決める必要がある。

その際に、僕が重要視したいのは、情シスや運用者にとって、可能な限り「手のかからないシステム」「自律的なシステム」「放っておけるシステム」であることだ。

なぜなら、組織のシステム管理者や運用者のリソースは、より良いシステムを作る仕事に集中させるべきで、可能な限り維持保守系のタスクは減らしていくことが望ましいと考えているからだ。

これだけ技術の進歩やトレンドの変化が激しい世の中で、既存システムの運用業務に忙殺されてしまっては、どんどん時代に取り残されていってしまう。

 

リプレースが不要なシステムを目指す

維持保守の目玉作業といえば、リプレースではないだろうか。そしてリプレースの手間は可能であるならば回避できるのが望ましい。
5年サイクルでリプレース。うち半年~1年はリプレースの検討を行い、さらに1年をリプレース作業に費やす。なんてスケジュールは前近代すぎる。2年間もそんなことにリソースを割くべきではないだろう。

 

では、リプレースが不要なシステムを作るにはどのようにすれば良いだろうか。

まずあげられるのは、サービスの利用だろう。
メールやグループウェアなどのシステムは、SaaSのクラウドサービスを利用するようにしよう。多くのSaaSであれば、リプレースやバージョンアップ、機能追加などはサービス提供元のほうで実施してくれる。
サービスを継続したまま、これらのメンテナンス作業を実施してくれることが大半だろう(もちろん導入時にこれらは確認すべきであるが)

 

どうしてもOSを持つ必要がある場合

ただ、どうしてもOSを持たないといけない場合もあると思う。たとえば、SKYSEAはかなり優秀な資産管理ツールであると思うが、これはSaaS提供していない。もう一つ例を上げると、DHCPサーバも私の知る限りでは、SaaS型のサービスは知らない。
この場合は、IaaSやPaaSを利用するのが良いと思う。HWはクラウドベンダー側にメンテナンスをさせ、OS以上の部分だけ面倒を見ることとする。自社で持つインフラは最小限とし、ハードウェアの管理にリソースを割かないようにしよう。
(仮想アプライアンスを利用するのも手だ。先程の例だと、仮想アプライアンスで提供されるDHCPサーバが存在する)


サービスやクラウド利用で発生する制限は「割り切る」

クラウドやサービスを利用することで、オンプレミスの現行システムでできていた事ができなくなってしまうこと、制限が生まれてしまうこともある。もちろんそこは丁寧に比較や調査をしていく必要があるが「割り切る」というのも大事だ。今まで出来ていたこれは出来なくなります、と割り切ってしまう。
サービスやクラウドの利用で、オンプレミスの運用と比較して、ラクになる事は多々ある。これらの比較表を作成してみるのも良いのではないだろうか。


まとめ

  • 情シスや運用者のリソースを新システムの導入や、既存システムのエンハンスに集中できるように可能な限り「ほっておけるシステム」を目指すべき。
  • ハードウェアは可能な限り持たない。モノを持つことによる運用や作業は可能な限り回避する。
  • まず検討すべきはSaaSサービス。どうしてもOSを持つ必要があれば、IaaSやPaaS。その場合、仮想アプライアンスも検討しよう。