今回は、クラウドサービスの導入時に注意したい点、気をつけたい点について書いていこうと思う。
クラウドサービスの特徴として、以下があげられる。
- 一般に、オンプレミスと比較して、導入期間が短くて済む。
- 一般に、オンプレミスと比較して、イニシャルコストが低くて済む。
- 一般に、オンプレミスと比較して、拡張や縮小、撤退が容易
- 一般に、クラウド事業者のほうでサービスが継続的にエンハンスされる(多くは事業者が利用者をつなぎとめ、増やし、成長していくため)
そのため、クラウドサービスは、オンプレミスと比較して、導入決定後に素早くサービスインを行う事ができ、ユーザが利用開始できるという利点がある。
システムは実際に利用されて、生産活動が行われないと存在する意味がないので「システム導入期間」それ自体に意味はない。意味があるのは導入後の運用フェーズだ。
なので、機能要件と非機能要件を満足するシステムなのであれば、導入期間が短くて済むにこしたことはなく、導入までの時間が短いことは、ユーザにとって大きなメリットだろう。
また、「あまりにも利用者が少なかった」「あまりにも利用者が多かった」といった想定外の際の縮小や拡張も容易であることが多いのも、サービス採用時のハードルを下げてくれる。(事業者側にリスクをヘッジできる)。
一方で、クラウドサービスはオンプレミスに比べて自由度が減ることも多い(その多くは非機能要件面であることが多い)ので、その点の評価は事前に行うことが重要だ。
つまり、クラウドサービスの導入にあたって重要なのは、機能要件や非機能要件の評価のフェーズだ。
「便利そうだから導入してみませんか?」では、後々、そもそもの機能要件や非機能要件を満たしていなかったというトラブルにつながる可能性がある。
面倒なフェーズではあるが、機能要件と非機能要件は、いずれにせよクラウドサービスの導入や設定時の大方針となるので、明文化しておくことがトラブル回避につながる。
SIerであれば、提案時やキックオフ等、早い段階で機能要件や非機能要件のすり合わせを行うと良いだろう。