VDIのマスターイメージの最適化ツールとして、Citrixの「Citrix Optimizer」や、VMwareの「VMware OS Optimization Tool」がありますが、AVDでは「Virtual Desktop Optimization Tool(VDOT)」というものがあります。今回はこれを試してみました。
VDOTとは?
Virtual Desktop Optimization Tool(VDOT)とは、冒頭に記載したように、マスターイメージの最適化ツールです。マスターイメージで実行することにより、パフォーマンス向上を目的とした様々な設定が投入されます(後述)。
注意点として、VDOTはあくまでコミュニティ主導のツールであり、Microsoftによって正式に発表されているものはありません(とはいえ作成しているのはMicrosoftの人です)ので、その点は注意が必要です。
以下、コミュニティサイトのリンクです。
(Windows) Virtual Desktop Optimization Tool now available - Microsoft Community Hub
利用方法と手順
利用方法
利用方法は、Githubに記載があるので、それ通りにやるだけです。
(Windows) Virtual Desktop Optimization Tool now available - Microsoft Community Hub
今回はこの手順にそってやってみたいと思います。
手順
それでは早速やってみます。
マスター上にフォルダを作成します(今回は、"C:\VDOT"とします)。
VDOTをダウンロードして、"C:\VDOT"に解凍します。
PowerShell を管理者権限で起動して、C:\VDOT\Virtual-Desktop-Optimization-Tool-mainに移動します(「Virtual-Desktop-Optimization-Tool-main」は、ダウンロードしたZipを解凍したことでできたフォルダ)
以下、PowerShell コマンドを実行してVDOTを実行する準備をします。
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope Bypass
いよいよVDOT実行です。以下のうち、いずれかのコマンドを実行します。私は最後のコマンドを実行しました。
.\\Windows_VDOT.ps1 -Optimizations All -Verbose
#これにより、すべての標準最適化が詳細出力で実行されますが、EULA は手動で同意する必要があります。
.\\Windows_VDOT.ps1 -Optimizations All -Verbose -AcceptEula
#これにより、すべての標準最適化が詳細出力で実行され、Eulaが自動的に受け入れられます(スクリプト実行の場合)
.\\Windows_VDOT.ps1 -Optimizations All -AdvancedOptimizations Edge -Verbose -AcceptEULA
#これにより、すべての標準最適化、Edge ブラウザーの高度な最適化、詳細な出力が実行され、Eula が自動的に受け入れられます。
.\\Windows_VDOT.ps1 -Optimizations AppxPackages -AcceptEULA
#これにより、Appxパッケージのみが実行され、EULAに自動的に同意します
.\\Windows_VDOT.ps1 -Optimizations All -AdvancedOptimizations All -Verbose -AcceptEULA -Restart
#これにより、すべての VDOT 最適化が実行され、詳細出力が実行され、Eula が自動的に受け入れられ、VDOT が終了するとデバイスが再起動されます。
以上で、VDOTの実行は完了です。最後に、sysprepを実行してマスターをキャプチャし、ホストプールに展開します。
所感
VDOTはあくまでPowerShellスクリプトなので、中身を見ればどのようなことをやっているかは分かります。ただし、あくまでコミュニティツールなので、SIerさんなどでは利用は難しいかもしれません。
その場合は、以下サイトなどを参考にカスタマイズ項目を決めていくのが良いかもしれません。